初心者ライダーの方ももちろんですが、実はベテランライダーも意外と、知らないのが「エンジンオイル」。
エンジンオイル、消耗品ですので、定期的にまたは走行距離のより交換しないと、エンジンが壊れます!
分かりやすく解説しますのでじっくり読んでみてください (^^♪
目次
エンジンオイルの種類について
エンジンオイルの役割
エンジンは精密な金属部品が集まってできているのでスムーズに動くには、オイルはなくてはならない不可欠なもの。
具体的にオイルの主な役割は以下の5つです。
1.潤滑作用:内部の金属面に油膜を作り、摩耗を防ぐ。
2.洗浄作用:ゴミや金属粉などの汚れを取り込んでエンジン内部を洗浄する。
3.冷却作用:エンジン内部を循環し摩擦で発生する熱を冷却する。
4.密封作用:シリンダーとピストンリングの隙間を油膜で塞ぎ、燃焼効果を高める。
5.防錆作用:金属部品を油膜で覆うことで、錆を防ぐ。
エンジンオイルの3つの規格
エンジンオイルを選ぶ時は、3つの項目が取扱説明書の記載内容と同じか、またはそれ以上かを確認するだけでOKです!
規格 | 内容 |
---|---|
SEA | オイルの粘度 |
API | オイルのグレード |
JASO | 特性 |
カワサキ Z900RSの指定オイル
推奨オイル | 純正4サイクルオイルR4 | 純正4サイクルオイルS4 |
---|---|---|
SEA規格 | 10W-40 | 10W-40 |
API規格 | SJ | SG |
JASO規格 | MA | MA |
[アドバイス]クラッチの滑りやエンジンの性能、耐久性に悪影響を与えることがあるので、エンジンオイルに摩擦を低減させる添加物は加えないでください。 |
SEA規格の粘度について
SEA規格とは粘度をあらわすもの
この粘度の表記はマルチグレードとよばれていてSEA(米国自動車技術者協会)という団体が定めている規格です。
左側の数字は低温時の粘度を表していてWはWinterの頭文字で、右側の数字は高温時の粘度を表わしています。
マルチグレードは「使用できる気温の範囲」の目安となる規格なのです。
低温時粘度の数字が小さいほど、寒冷地でもオイルの硬化が少ないという事で、高温時粘度の数字が高いほど気温が高くてもオイルの粘度が維持されるという事です。
つまり、簡単にいうと、Wがついている数字が小さいほうが良くて、右側の数字は、大きいほど良いオイルだといえます。
上の画像で示すと
10W | 40 |
低温時の粘度 | 高温時の粘度 |
理想的な車検の受け方は、有効期限が1ヶ月以内で車検を受けるて次の車検までの有効期限を最大限に延ばすと損をしないでしょう。
SAE規格粘度表
耐寒性(低温時の粘度) | 耐熱性(高温時の粘度) |
0W ➡-30℃ | 20 ➡ 5.6 < 9.3 |
5W➡-25℃ | 30 ➡ 9.3 < 12.5 |
10W ➡-20℃ | 40 ➡ 12.5 < 16.3 |
15W ➡-15℃ | 50 ➡ 16.3 < 21.9 |
20W ➡-10℃ | 60 ➡ 21.9 < 26.1 |
どのくらい寒い日に使えるオイルかを示す粘度。Wの数字が小さいほど粘度が低いオイルにで始動性がよくなる。 | 油温が100℃の時のオイルの動粘度※。数字が大きいほど粘度が高く発熱の多い高回転エンジンに向く。 |
例えば、10W-30のオイルであれば、『−20℃まで使えて、耐熱性と粘度が低いエンジンオイル』といえるでしょう。
耐寒時の温度は、上の一覧のとおりですが、外気温の高温での使用可能は耐熱性に依存しない考えになってきていて、30以上であれば外気温が40℃以上での使用も可能になっています。
粘度同様で数値が大きいほど「粘り」がある
API規格のオイルグレードについて
API規格とは性能による基準あらわすもの
このグレードの基準はAPI(アメリカ石油協会)という団体が定めている規格です。
省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などエンジンオイルに必要な性能を設定したもので、ガソリンエンジンの場合には「S」で始まり、「SA」から「SN」グレードの12段階で分類されています。
*エンジンへの影響や環境負荷の少ないオイルが年々追加されているので、メーカーが指定している基準以上であれば、問題はありません。
API規格表
規格 | 基準 | 品質 |
---|---|---|
SA | 添加物を含んでいないベースオイル |
低 ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩ 高 |
SB | 最低レベルの添加物を配合したオイル | |
SC | 1964年制定 | |
SD | 1968年制定 | |
SE | 1972年制定 | |
SF | 1980年制定 | |
SG | 1989年制定 | |
SH | 1993年制定 | |
SJ | 1996年制定 | |
SL | 2001年制定 | |
SM | 2004年制定 | |
SN | 2010年制定 | |
SP | 2020年制定 |
JASO規格のオイル特性について
JASO規格とは特性をあらわすもの
この規格は自動車技術会が制定する日本自動車技術規格(Japanese Automotive Standards Organization)のイニシャルをとってつけられた摩擦特性を表した工業規格です。
API規格の品質と違ってエンジンオイルの特性を示しているので良し悪しはないので、自分のバイクの指定されたものを使うようにしてください。
JASO規格表
規格 | 特性 |
---|---|
MA | 高い摩擦特性 ミッションバイク向け |
MA2 | MAの摩擦特性の範囲で粘度が高い ミッションバイクで高回転向け |
MA1 | MAの摩擦特性の範囲で粘度が低い ミッションバイクで低中回転向け |
MB | 摩擦特性が低い ミッションの無いスクーター向け |
ベースオイルの油種について
3つの種類の文字通り基準となる「ベースオイル」が存在します。
ベースオイルに、色々な機能を持った添加剤を加えることによって、エンジンオイルとなるのです。
【ベースオイル+添加剤=エンジンオイル】という事です。
ベースオイルの種類
「鉱物油」「化学合成油」「部分合成油」の3種類があります。
鉱物油
原油を蒸留して不要な有害成分などを取り除き精製されたスタンダードなオイルです。
コスパが良いので最も普及しているオイルでもあります。
性能面では化学合成、部分合成油に劣りますが、一般的な使用用途では問題ない品質が確保されています。
部分合成油
鉱物油に化学合成油をブレンドして品質を高めたオイルです。
化学合成油の性能と鉱物油のコストパフォーマンスの2つのメリットを両立したオイルで、
鉱物油のデメリットである揮発性の高さや冬の始動性を化学合成油で補っています。
化学合成油
高度な技術を用いて可能な限り不純物を取り除き化学的に合成した高純度オイルになります。
耐熱性の高さと、寒い時期のエンジン始動性の良さが特徴です。
ただし、価格は、オイルの性能は最強クラスで、高性能なため、3つのベースオイルでは最も高いです。
特徴と選び方
油種ごとの特徴
油種 | 価格 | 劣化耐性 | 始動性 |
---|---|---|---|
鉱物油 | 安い | △ | 〇 |
部分合成油 | 普通 | 〇 | ◎ |
全化学合成油 | 高い | ◎ | ◎ |
油種の選び方
メーカーの取り扱い説明書には、油種まで指定されていることは、少ないと思います。
特に指定がなければ、純正指定オイルと同じ油種を選べば間違いはないです。
ただし、基本的には自分のライディングに見合ったベースオイルを選ぶといいですね。
(例)ネイキッドタイプバイクで、純正指定オイルの油種が部分合成油であった場合でもサーキット走行や、峠走行をのようなスポーツ走行を頻繁にするのであれば、化学合成油がてきしているといえます。
エンジンオイルの性能、品質の比較
カワサキZ900RS 推奨エンジンオイル
推奨条件 | 推奨オイル R4 |
推奨オイル S4 |
|
---|---|---|---|
SEA | 10W-40 | 10W-40 | 10W-40 |
API | SG 以上 | SJ | SG |
JASO | MA | MA | MA |
油種 | 記載なし | 部分合成油 | 部分合成油 |
価格/L | 3.3L使用 | 約1,300円 | 約1,150円 |
Amazonでみる (4L缶) |
カワサキ車両 おすすめエンジンオイル3選
やっぱり、大切な愛車にとって、こだわりたいのが、油種だと思うんですよね。
そうなると、全化学合成油のオイルとなります。3つの規格を重視して選んだのかこの3種類のエンジンオイルです!
カワサキ 冴速 |
カワサキ 冴強 |
MOTUL モチュール7100 |
|
---|---|---|---|
SEA規格 | 10W-40 | 10W-50 | 10W-40 |
API規格 | SL | SM | SN |
JASO | MA | MA | MA2 |
油種 | 全化学合成油 | 全化学合成油 | 全化学合成油 |
価格/L | 約1,850円 | 約1,750円 | 約1,900円 |
Amazon でみる (4L) |
お住いの地域の環境や乗る時期、そして気分と予算に合わせて色々なオイルを使ってみてください。 オイルだけで、クラッチの入り、エンジンの音まで異なって聞こえてきますよ。(ボクの個人的感想です)
自分のバイクの指定(推奨)オイルってわかりますか?
新車を買ったのなんらば必ず、付属品として「取扱説明書」があります。
その中に「エンジンオイルの補充」などというように、そのバイクの指定、または推奨オイルの記載があります。
たとえ、中古でかったり、個人売買だったりする場合は、その「取扱説明書」が無いという事も多いと思います。
が、安心してください。
今は、それぞれのメーカーのホームページに機種ごとの取扱説明書を見る事やダウンロード、印刷することも可能です。
ですので、よくわからないとい方は、確認してみてください。
メーカー公式ホームページからバイクの取扱説明書をダウンロードできます。
まとめ
この記事は、バイク初心者もそうですが、意外と詳しくは認知されていないバイクの4サイクルエンジンオイルについて書きました。
ガソリンのように頻繁に入れる必要がないからこそ、ちゃんとわかっていたいものです。
だってエンジンやミッションをちゃんと正常に、気持ちよく可動させることが出来るのはエンジンオイルだけなんですからね。
自分の愛車を大切にするのであれば、正しく点検、整備してもらい最高のパフォーマンスを出させてあげましょう!
気持ちよいエンジン稼働でバイクがご機嫌になればボクたちもごキゲンになりますもんね。
そして、日々の生活、人生ももっと楽しくなります。
気持のよい楽しい生活を送りエンジョイしながら健康になりましょう!
kenko-mind!